『Wizard Bible事件から考えるサイバーセキュリティ』の執筆にあたり、警察庁へ「各都道府県からの申報(不正指令電磁的記録罪)」という行政文書の開示請求を行いました。申報は警察内部で共有されている報告書です。受け取った申報は400枚と膨大な量がありますので、本ページでは仮想通貨とアラートループに関するページのみを公開します。
宮城県警の申報では、「本件は全国初となる仮想通貨の不正採掘にかかるマイニングウイルス事件であり、警察庁指揮の下、全国10県警が捜査、一斉広報を行ったもの」と書かれてあり、地方警察ではなく警察庁がCoinhive事件の全体の指揮を執っていたことをうかがわれる記述があります。
彦根警察の申報では、Coinhive事件では大手セキュリティ会社から聴取を行ったとする記述があります。
新潟県警の申報では、神奈川県警から引き継ぎを受けて予備校生(元Coinhiveユーザーさん)を摘発したとする記述があります。
兵庫県警の申報では、アラートループ事件の1年前に、大学生を「ポップアップ画面が延々と表示されて消えない、いわゆるブラウザクラッシャーと呼ばれるURLのリンクであった」として摘発したとする記述があります。
今日、警察庁から約400ページ分の不正指令電磁的記録罪の『申報』開示文書が届きました。現在内容を解析中です。ざっと最初の方を読んだけどCoinhive事件など仮想通貨のマイニングの摘発事件は県警独自の判断ではなく警察庁が指揮を執っていたとする記述があります。新事実だ。詳細は追って公開します pic.twitter.com/wUDW65m1rv
— 齊藤貴義@『Wizard Bible事件から考えるサイバーセキュリティ』 (@miraihack) November 22, 2021